当店は野生動物の種の保存に関する法律に基づく特定国際種事業届出事業所です。
古くからの伝統的な印章(印鑑)、当店の方針、古い印章資料(主に印影)や商品等を中心にご案内致します
店主のブログ
象牙印材についての説明
象牙の品質表示はお店により様々ですが、当店は適正な表示に基づく最高品質の象牙を使用しております。
下の写真をご覧下さい (象牙のような白い物は細かい箇所が写りづらいので照明を暗くして撮影してあります)
図をご覧いただいてわかるでしょうか。
表皮と粗目以外は適材と書いてあります。
これは普通のハンコ屋さんの説明では見られないと思います。
一般的に象牙は中心に近くなるにつれ品質が良くなるという宣伝がされておりますが
これは大ざっぱに言えば間違ってはおりませんが必ずしも正しくはありません。
象牙の品質はあくまでも「肌理(きめ)の細かさ」です。
象牙の肌理というのは網目状の模様を指します。
印材に使用出来ない表皮などを除いて象牙には2つの模様があります。
木の年輪のような縞(成長線とも言われます)と網目です。(縞模様と網目は別です)
象牙の品質は中心に近いか遠いかで決まるのではなく、網目の細かさで決まります。
この網目は表皮のすぐ下は一般的に粗いものですが、時には牙の中間が最高品質で
中心近くでまた粗目になっているなどという個体も結構多くくあります。
こちらの画像もご覧下さい (こちらも照明を暗くして撮影しています)
2枚の写真、左右は同じ象牙ですが、右側の上は木口(輪切りにした状態で言う面の部分)で
下は縦切りにした状態での面の部分です。
表皮と粗目以外は適材としておりますが、必ずしも中心(左)に近いほど細かくなっている訳ではないのはわかりますでしょうか。
象牙の品質は、中心からの距離ではなく、あくまでも網目の細かさが基準となっており、実際に象牙の印材製造元でも
そのような基準で販売されております。
当店はお客様にいい物を提供させていただく為、正しい品質管理された最高級の象牙のみを使用しております。
大きな写真で上の説明をご確認下さい
「普通部位」及び「細密部位」ともに縞模様(年輪状の模様)の位置関係で美観上いいものが印材として使用されます。
ご覧いただければわかると思いますが、上の象牙は中心に近い部分より、少し外側にある方が網目が細かいのはわかりますか?
(注 牙ごとに異なります)
これが「象牙の品質は中心からの距離ではなく、肌理の細かさが基準になる」という証明です。
★ 網目の粗い象牙は品質が悪いものと言えますが、細密の網目であれば何も問題ありません。
網目自体が低品質というのではなく、粗い網目の象牙がお勧めできないという意味です。
ご参考として(白く撮影困難ですので照明を暗くして撮影してあります)
暗くして撮影したのでわかりづらいかも知れませんが、必ずしも中心部分が細密になっている訳ではないのが確認出来ると思います。
尚、横目象牙というのは高価ではありますが、欠けやすい象牙です。
高価=高級 とは限らない品物で、典型的な開運印鑑商法の商材で、粗悪なものです。
詳しくはこちら→横目象牙とは(私が書いた外部サイトです)をご覧下さい。
また、中心の部位である「芯持ち」は芯からしか取れないので、金額は高価ですが、象牙の芯は水牛印材と比べ
穴が大きいので彫る上で支障が出てきます。
そして、上に書きました通り、芯部に近くなるに比例し品質が高くなるとは限らないので、決してお勧めできない
印材です。
横目象牙のように「絶対やめた方がいい印材」ではありませんが、芯持ち象牙は高品質印材とは言えません。