当店は野生動物の種の保存に関する法律に基づく特定国際種事業届出事業所です。
古くからの伝統的な印章(印鑑)、当店の方針、古い印章資料(主に印影)や商品等を中心にご案内致します
店主のブログ
開運印鑑を知るには印相体を知る必要があります |
当店は「古き良き時代の印鑑」をご提供させていただくことを基本姿勢としております。
それと共に、印章業界の二大汚点である開運印鑑(印相体)と手彫り表記の嘘の排除を信念としております。
明確に伝えたい当店の方針をお伝え致しますが、批判になっている文章なので
これを読まれた方からは「他店の批判をして醜い」と反感を買うかも知れません。
しかし、この二つの深刻なデタラメによって業界全体がおかしな方向に傾いてしまっているので
いい印鑑(印章)を作りたいと思っている方には本当の事を知っていただきたく、この文章を書きました。
現在印鑑のインターネット販売サイトは何でもありの無法状態となってしまっています。
嘘、紛らわしいなどのデタラメ表示が平然と販売されています。
「デタラメ」と言うのは偽物が販売されているとかではなく、由来や説明がデタラメという意味です。
印章の長い歴史の中で、昭和になって作られた印相体の登場によって印章文化が激変してしまいました。
食品の偽装はニュースで大きな話題になってもハンコの偽装はニュースになりません。
誰もが毎日食べるもので、人間の生活・生命に重要な関わりがあるもの(食料品)と
使わない人はほとんど使わない物(印鑑・印章)の違いでしょうか。
ここまでズバリ書いているハンコのホームページは他に無いと思いますが、紛れもない事実を書いております。
私の言葉だけでは信じられないかも知れませんので、本文中にある印章資料もご覧下さい。
ハンコで開運? そんな言い伝えはありません |
開運するという言い伝えのある印鑑というものは古来からのものだと思いますか?
大部分のハンコ店が開運印鑑(印相体の印鑑)を販売していますが、
まず最初に結論を書きます。
印章や特定の書体で開運するという話は、ハンコを販売するセールストークであり
印章の慣習として、その様な言い伝えはありません
まずは下の資料をご覧下さい。
これは昭和50年に発刊された印章資料 「印海」 からです。
(写真をクリックすると印海の説明ページへ移行します)
上の写真の文中「最近」といのは資料が発行された昭和50年頃の事です。
「称して」という言葉は、印相体がきちんとした書体ではない事を表しています。
「勝手な崩し方ではない」というのは、4000年の歴史の篆書体の事であり、ここで言われている
「勝手な崩し方」とは、印相体の事です。
開運印鑑というのは、印章店が近年考え出した販売方法であり、昭和40年代に多くのお店が
真似をして今のように広まりました。
開運印鑑の書体である印相体というものは昔からある由緒正しい書体ではなく、
昭和40年代にハンコ屋が開運印鑑を売り出す為に創作した書体という事は知っていますか?
疑問があれば、図書館や博物館などに行って資料や字典を見てみて下さい。
時間がある方であれば、書や古文書に詳しい大学に尋ねてみるのもいいかも知れません
きちんとした由来のある資料で開運印鑑や印相体は絶対にありません。
江戸時代中期は我流のいろいろな書体が生まれましたが印相体という書体は存在しませんでした。
開運印鑑商法が登場した当初は、多くの印章店では伝統を守り、開運印鑑など販売しておりませんでした。
しかし、「どのお店がどのぐらい儲けた」とかいう話が伝わり、あれよあれよと言う間に開運印鑑商法が
拡大され、それにつられ真似をする印章店が次々登場して今のような状態になってしまったのです。
(今でこそ開運印鑑という名前ですが、それらが出始めた昭和40年代は印相印という名前でした)
「開運印鑑(印相体の印鑑)は偽装されにくい」とよく宣伝されておりますが、そんな事は全くありません。
残念ながら、機械化された今の時代は、偽装のプロにかかれば、どの様な書体でも偽装されてしまいます。
何より悪用云々以前に、ハンコ屋さんはみんなわかっているんです。
「開運印鑑」というものはあくまでも商売道具(商材)だという事を。
消費者様の多くは篆書体に詳しくないので、篆書体と印相体の区別が付かなかったり、印相体のどこが
いけないのか、よくわからない方も多いです。
でも、だからこそハンコ屋が正しい知識をお客様に伝えなくてはいけないのです。
開運印鑑を知るには印相体を知る必要があります。
なぜ開運印鑑を知るには印相体を知る必要があるのでしょうか。
それは、印相体という書体は開運印鑑を販売する為に作られた書体だからです。
今でこそ選択肢の一つにある書体みたいになってしまいましたが、他の基本6書体が伝統的なものに対し
印相体は昭和になって新しく作られた開運印鑑専門の特殊な書体なのです。
ここで印相体について事実を書きます。
私の言葉を信じる、信じないは別としてまずはお読み下さい。
●印相体は古来からの文字ではなく、昭和40年代初頭に創作された書体である。
●篆書体をはじめ、漢字の書体は主に美的観点から発達してたが、印相体だけは商業的に創作された。
●元々ハンコに「相」という観点はなく、本来の印相という言葉は印章(印鑑)とは関係無い仏教用語である。
●開運印鑑の起源とされている江戸時代の本:印判秘訣集は印相体や開運印鑑とは全く関係ない花押の本である。
●印章基本6書体は学術的にもちろん存在する書体だが、印相体は学術的に存在しない。(商材として存在)
(印章基本6書体とは篆書体、隷書体、楷書体、行書体、草書体、古印体の6書体です)
●印相体で彫られた印章(印鑑)は日展その他の美術展では絶対に入賞しない。(芸術的価値はゼロだから)
●吉相体は印相体の名前を変えただけ。 (どちらも商材に過ぎない)
●印相体が流行し始めた昭和40年代は、印章業界も印相体撲滅に力を挙げていた。 (今は・・・?)
●開運印鑑でいいとされている話や、凶とされている話は、古来からの慣習ではなく、販売業者が創作したもの。
その証拠に、開運印鑑や凶印などが書かれた古文書は存在しない。
(昭和発刊の開運印鑑商法の商材として書かれた本はあります)
●開運印鑑の「印○学」という易学みたいな名称は、古来からの言い伝えではなく商標登録された商材である。
(商標登録されているので「」内の一部を伏せ字にさせていただきました)
開運印鑑及び、その書体である印相体について簡単な説明を箇条書きにしましたが、どうでしょうか。
「さすがに全部本当という事はないでしょ?」という感じで信じられませんか?
「膨大な数のお店が開運印鑑を売っているのに、それがみんなデタラメだなんて・・・」
という感じで信じられない方も多いのではないでしょうか。
それとも、「全ての人が開運するという訳ではない事を承知で私達は買っています」 でしょうか。
上の●部分の箇条書きは全部で10項目あります。
10項目全部ではなくても、1つ位は信じられますか?
でも、仮に1つでも本当だとしたら、開運印鑑はアウトだと思いませんか?
私の話を信じられない方は、是非このページの資料(画像)をご覧下さい。
当店は以前、役所関係に印鑑を納品をしていました。
もちろん、役所には開運印鑑での納品はできません。 (印相体で彫った印章は納品できません)
(役所で明言されておりませんが、どの業者さんもそんな真似はしません=わかっているからです)
国家の印鑑(多分全て)、上場企業の印鑑(大部分)は通常の印鑑です。
「いや 会社と信仰は別だから」とお考えの方も居るでしょうが上場企業でも
ビルの建築とかの場合は普通「上棟式」を行います。
これは信仰に関係しているからですが、信仰に関係する印鑑を使用する事は
(ほとんど)ありません。
「素晴らしい字」「美しいオリジナル書体」・・・いろいろ書いてありますが、印鑑の字に関
して言うと書道の分野になります。
開運なる印鑑を書道の先生に字を見てもらって下さい。
もしかしたら面と向かってその人の印鑑を批判する事はしないかも知れません。
しかし、決して素晴らしい印鑑とは言わないはずです。
重要な事ですが
ハンコは字が命です きちんとした字で彫刻しないと価値が落ちます。
開運印鑑商法話の続きですが、上の3枚の写真を見て下さい。
左は当店で販売しているハンコのひとつで、右2枚は昭和47年製の東京印章協同組合の印章カタログです。
(昔の資料にはいいハンコを知る上で、多くのヒントがあります)
ボディーの中央に銀色の「金属」が埋め込まれていますが、これはハンコの上下を
わかりやすくする為に昔からある「丹」というものです。
(丹の無いものはほとんどが「当たり」というしるしが付いています)
はんこは開運云々を信仰するものではなく、実用品ですので昔はしるしの付いたものがごく普通でした。
(削ったしるしは「当たり」「さぐり」「指型」と呼ばれ、金属が埋め込まれたしるしは「丹」と呼ばれております)
しかし、開運印鑑商法では
1)「印鑑のからだ(ボディー)に傷を付けるのはよくない」とか
2)「印鑑を押す時は重要な時だから、しるしの無い印鑑で捺印時に印面を見て
その時に ''本当に捺印していいのか'' をよく考える為にもしるしの無い印鑑をつかうべき」
と唄い出し、印材メーカー小売店ともに「右へならへ」してしまったので今ではしるしの
無いハンコが一般的になってしまいました。
1=傷ではなくあくまでも「当たり」や「丹」といいます。
(印象を悪くさせる為にわざと「傷」という悪意な表現が使われました。)
2=一見「なるほど」と思うような理屈で、これは今では広く語られるようになって
しまってます。
しかし、これも単なる営業トークなのです。
ハンコの利便性と重要書類の検討はあくまでも別です。
書類の重要性は捺印前によく考えるべきですので、ハンコに朱肉を付けて
いざこれから捺印という時に、切羽詰まって検討すべきなのでしょうか。
「ハンコは気軽に押すな」という事は重要ですが、それと上下のしるしが付いていないハンコの
不便さを絡めて今まであったいい物を否定するのはいかがなものかと思います。
そもそも、開運なる書体の印鑑は文字がごちゃごちゃして非常に見づらく、しるしが無いと、
(特に画数の多い字)上下が非常にわかりづらいです。
ここまで読んでも不安が残る方は、上の写真の右2枚を見て下さい。
これは印章組合のカタログです。
仮に、あまり良くないハンコだとしたら、印章文化の継承、発展を目的とする
社団法人の組合がカタログに載せるでしょうか。
どちらの理屈を信じるかはお客様の自由ですが、本当のいいハンコをわかって下さい。
また、水牛の角の先端に象牙を付けた「牙次印」や小判型、それ以外でも
昔からある情緒豊かなハンコを悪く書いてあるサイトもありますが理屈は一緒です。
(組合のカタログに全て載っています)
(私が書いているブログですが、印相体についての資料をご覧下さい 印相体とは )
★印鑑上下の「しるし無し」そのものがいけない訳ではありません。
嘘や営業トークに惑わされず、ご自身の意思で「しるし」の有無を決めましょう。
下の左は東京印章協同組合が発行した印相鑑定業者(開運印鑑販売業者)に注意というポスターです。
右側は開運印鑑が世に出始めた昭和40年代に注意喚起の為に印章店向けに販売されたポスターです。
(画像をクリックして詳細をご覧下さい)
開運印鑑がインチキである事を、ハンコの組合(上の左側)も公言していた事実をご確認下さい。
開運印鑑を信じる事は、超常現象や運勢を信じられるか?ではなく、ハンコ屋に騙されるか騙されないかなのです
■ 手彫り偽装はしておりません |
「手彫り印鑑」のハンコの99.9%は手彫りされていません。
インターネットで「手彫り印鑑」と検索すると実に多くの「手彫り印鑑」が販売されています。
しかし、ネット上で手彫り印鑑として販売されているハンコの99.9%は手彫りではありません。
ほぼ一方通行の宣伝が出来るインターネット上の印鑑店(実店舗併用型も含め)無法地帯となってしまっています。
「手彫り」や「完全手彫り」というネット上の言葉は今や信用できない状況です。
印鑑は職人の手書き文字を手彫りで作るのが古来からの作成方法です。
しかし、手間が掛る事と、一日につくる本数が限られてしまう事
専門の技術が必要である事。
これはハンコを作る過程を知らない方でも想像はできると思います。
手彫り偽装とは
1)完全なる嘘。
2)コンピューター機械で彫刻した後に仕上げと称して少しだけ削ったものを手彫りと宣伝。
3)「手書き、手仕上げ」とだけ宣伝し、途中機械彫刻した事を隠す。
4)言葉での嘘は無いものの、手彫りしている写真を掲載し、手彫りと錯覚させる。
技術をもった職人が、完全手彫りでいいハンコを大量生産できる訳はありません。
海外ではんこを作ると5分位で作ってくれるところがあります。
工法的には「落款印」(主にろう石を鉄筆で彫刻した印)に近いですが
字やバランスに関しては酷いものです。
注文する際は、注文品の彫刻工程写真を依頼しましょう。
今やネットの印章販売店では「猫も杓子も手彫り、手彫り」です。
一目で「手彫りしていない」とわかるお店もあれば、「いかにも手彫りしていそう」というお店まで様々です。
では、どうすれば嘘と本当を確かめる事が出来るのか。
方法は簡単です。
注文品を手彫りしている工程の写真をいただければ、本当に手彫りしている事が簡単にわかります。
当店は、手彫りしている途中の写真(彫刻工程写真)をお客様に差し上げております。
(★彫刻方法は「手彫り」と「手仕上げ」の二種あり、写真を差し上げているのは、「手彫り」のみです)
いきなり「写真撮って下さい」とは言い辛いという方は、こちら→手彫り印鑑に写真が必要な理由 をお読み下さい。
「手彫り」印鑑は完全手彫りと表示してある商品で、一切機会を使わずに彫刻する方法です。
「手仕上げ」は、お手頃価格で提供する為に、一番手間の掛かる「荒彫り」の過程に機械を使用します。
どちらも熟練職人が優れた技術でお作りした印鑑(印章)を提供させていただきます。
でも、例え本当に手彫りされた印鑑でも、彫られた書体が印相体でしたら価値はゼロになりますので、
その点は気を付けて下さい。
■ なぜ職人の字にこだわるのか |
「最近はコンピュータの字も良くなったので別にいいじゃないか
なぜそんなに職人にこだわるの?」
=明確に違います。
当店の職人はきちんと印章教育を受け、国家資格を取得した職人です。
ハンコは正円または小判型の丸のなかに字を彫刻するものです。
(姓名彫刻の場合)姓2文字、名2文字の人も居れば姓1文字、名2文字
姓3文字名1文字という人も多く居ます。
どのような場合でも、丸の中に字のバランスを考えて美しく収めるのが職人です。
コンピューター彫刻機でも、文字を入力してスタートさせればハンコは出来ます。
しかし、字には法則があります。
一朝一夕で書道が上手にならないように、熟練の職人でないと
いいハンコは作れません。
職人仕事にこだわるのは、お客様自身の為そして当店自身の為でもあります。
お客様自身の為というのは、「二つとして無いハンコが重要」という意味です。
コンピュータ彫刻で同じ名前を入力すれば全く同じハンコが出来てしまいます。
当店自身の為というのは、印章業界の存続の為に安易な方法に頼らず
「唯一無二」というハンコ本来の意味を重視して商品を提供すべきという事です。
コンピューター彫刻したハンコであるならば、激安(大量生産可能な為)で
提供できます。
しかし、どこでも同じハンコが普通に作れるようになったら
ハンコは果たして意味があるのでしょうか。
ネット上のとあるハンコ販売サイトで
「同姓同名の名前でも、印鑑デザイナーが1本1本文字を変えて作成しますので
安心です」と書かれていましたので、研究の為に時期を変えて注文してみましたが
専門家の私にでも2本の違いはわかりませんでした。
当店は「売れれば何でもいい」という商売はしておりません。
誤解を恐れずに書けば、「商売ですから売上は多いほど嬉しい」のは本音です。
しかし、「売ってしまえば何でもいい」という商売はしたくはありません。
長い目で見れば、結局は自分の首を絞める事になるのではないかと考えているからです。
お客様の立場で考えても「安ければ何でもいい」だなんて勿体ないです。
過剰な包装で豪華さを演出するのもどうなのでしょうか。
本当に良心的なハンコ屋は、世界でただ一つのハンコをいかがわしい商法とは無縁に
商品を提供しているお店だと信じています。
当店にはよく印相体プレビュー、印相体フォント変換、一覧、開運印鑑と風水の関係などでお問い合わせ
いただく事がありますが、印相体の実態を知っていただければ、変換見本やプレビューを探しても意味が無い事
をおわかりいただけるかと思います。
開運印鑑はデタラメである事の証明(外部ブログです)→印相体の真実
私が作った外部サイトです→開運印鑑 (内容は重複しておりますが、より詳しく書かれております)
こちらも是非お読み下さい→開運印鑑Q&A(こちらも同外部サイトです)
当店では印鑑業界の二大汚点である「開運書体」と「手彫りの嘘」について徹底的に批判しております。
ご覧いただく際は不快に感じる方も居らっしゃるかとは思います。
しかし、大部分のネット印鑑販売サイトに「いかがわしさ」が混ざっているという驚くべき現状があります。
私は業界の健全化を目指し、反感を覚悟で事実を書きました。