手彫り印鑑の偽装
副題「１００円の印鑑も２分で手彫り風に変身」
「本当に手彫り印鑑の偽装なんかされてるの？」
「偽装は技術者の居ないお店でしょ？」
など、お客様としては疑問があると思います。
では、ここで日本全国津々浦々まで偽物の「手彫り印鑑」が売られている実態を紹介致します。

写真が大きくて見づらいかも知れませんが、「手彫柘小判認印」なるものが
１００円で売られています。
この中から撮影用に画数の少ない名前を選んで買ってみました。
今回は手彫り風に偽装する説明ですので、この際 文字のバランスが変 という事には触れません。

印面の底（凹んでいる部分）が平らで、典型的な機械彫りですね。
機械彫りとは直接関係ありませんが、文字の表面がギザギザで、印面調整という工程が
なされていないのがわかります。
このままで「手彫りです」といっても無理があるので、印面の底を「手彫り風」に加工してみます。

どうでしょうか。
ちなみに、使用した道具は手彫りで使われるのと同じ荒彫り用の印刀です。
「彫った後から」という事を除けば、彫る方法も実際の手彫りと同じ方法です。
でも、所要時間はたったの３０秒ほど。
こんな楽な仕事はありません。
しかし、少々枠が太いので、枠を細くする事にします。

こちらも所要時間は約３０秒ほど。
荒彫りと違って、印材を彫刻台（篆刻台）から少し出した方が彫りやすいので、
彫刻台から印材を出す作業に約３０秒。
印刀の持ち替えや、撮影の準備で約３０秒
合計約２分で１００円の完全機械彫り印鑑が、手彫り「風」の印鑑に早変わり。

手彫り印鑑の特徴とネット上では謳われている土手や底の彫り跡もきちんと付いて
外観からでは手彫りと判別付かなくなりました。
ですので、彫り終えてしまった印鑑（印章）からでは、手彫りされたものなのか、
判別する事は大変困難なのです。　（巧妙に偽装されたものは判別不能です）

１００円の印鑑ですから２分しか掛けませんでしたが、何千円、何万円もする印鑑であれば
１時間掛けても十分採算がとれます。
実際は、市販されている１００円の印鑑を使う訳ではありませんし、もっと画数や文字数の
多い印鑑が多いので２分とはいきませんが、それでも２０～３０分あれば十分手彫り風の
加工が出来てしまいます。

手彫りの偽装は「楽をする」という目的以外に、「時間を短縮する」という目的もあります。
機械で彫っている間は、他の作業が出来ます。

繰り返しますが、彫り終えてしまった印鑑からは手彫りされたものなのか、機械彫りを
加工したものなのかの判別は大変困難です。
ですので、手彫りされたものかの見分ける方法は、実際に注文した印鑑の彫刻写真
が重要なのです。
もちろん一部の工程だけの写真では判別出来ません。
下の写真は当店で本当に手彫りをした写真です。
私の説明は半信半疑かも知れませんが、高価な手彫り印鑑を注文する際は思い切って
下の様な手彫り工程写真の撮影を依頼してみましょう。
（それぞれの写真をクリックすると、そのページに移動します）
      


      


      


      


 
 

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はんこの印善