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              開運印鑑に注意を促すポスターです。

単なるポスターではなく、正しい印章を知るヒントが隠された貴重なポスターです。
下の説明と併せてご覧下さい。

 
これは昭和47年3月に印章店向けに発売されたポスターです。
店頭に貼り、お客様に見てもらう為に発売されたものです。
このポスターには正しい印章を知る上で、いくつものヒントが隠されております。
説明用に私が赤でしるしを付けました。
また、ポスター下の赤い点線内の言葉はポスター制作者様の感想です。

開運印鑑、印相体吉相体、フォント変換

①について
印章店向けのポスターなのに、象がハンコを踏み付けている衝撃的な内容ですが、
踏み付けられているハンコは印相体で彫られた
印鑑です。

②について
薄くて見づらいと思いますが、旧一万円札です。
そこに押されている日本銀行「総裁之印」が正しい印章と書かれております。
踏み付けられている印章は印相体、正しい印章はきちんとした篆書体です。

③について
これは印鑑の上下のしるしである丹(たん)を指しております。
開運印鑑では、上下のしるしは傷だの印面を見てしっかり押す為だのの理由でいけないと
されておりますが、昔の印鑑にはほとんど付いていました。
また、この形からして印章の丈は45ミリまたは36ミリでしょう。
開運印鑑では60ミリが基本とされていて、短い印章はいけないと宣伝されていますが、
昔は大抵45ミリか36ミリでした。
絵のみですが、正しい印章がきちんと紹介されております。
そして点線内のポスター作者の感想をご覧下さい。
昭和47年に作成されたポスターですが、現在のメチャメチャな印章業界を予言
するかの如くの言葉です。

印相体は異様な書体である事、そして「反社会的な殺し文句」、これはこの当時の開運印鑑
販売の為のセールストークです。
今は「縁起がいい」とか「幸せに」など、プラスに感じさせる宣伝文句が大半ですが、
この当時はネガティブなセールストークで、手持ちの印鑑を「悪い印鑑」と思わせ、
新たなハンコ(印相印:現在の開運印鑑)に買い替えさせたのでした。
多くの批判、攻撃はあったが」と書かれていますが、ネット上で印相体や開運印鑑の嘘を
告白している当店は、実際に嫌がらせや中傷をされています。
昭和47年当時と変わらないですね。
もう一つポスターをご覧下さい。
作者が同じですので上のポスターとそっくりですが、別バージョンです。

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①は上下のしるし、②は正しい印章(書体)で上のポスターと一緒ですが、
点線に書かれたポスター作者様の感想に注目して下さい。

>古来の書体を凶印と・・・  
この販売方法は今でも存在しますが、この当時の典型的な開運印鑑販売方法です。

>札の文字が正しいと言う外なかった。  
正にその通りです。

>業界は客の好きな字体でと印相印風になった。  
昭和47年の言葉とは思えないほど今の印章業界を語る適切な表現です。

今、印鑑をインターネットで購入しようとすると開運印鑑(および印相体)で溢れております。
私は開運印鑑について徹底的に批判しておりますが、どうして批判する必要があるのか。
このページのポスターをご覧いただいてから「開運印鑑」と検索していただければ、
その理由はおわかりいただけるはずです。



開運印鑑について