当店は野生動物の種の保存に関する法律に基づく特定国際種事業届出事業所です。
古くからの伝統的な印章(印鑑)、当店の方針、古い印章資料(主に印影)や商品等を中心にご案内致します
店主のブログ
これは印章店向けに昭和50年に発行された印影見本帳「印海」です。
この見本帳の後半に印相体について大変重要な事が書かれておりますので
画像にて紹介させていただきます。
著者は業界では有名な(故)井上先生です。
何か問題が生じてはいけませんのでテキストでは姓のみの紹介とさせていただきますが、
フルネーム及び経歴詳細は下の画像をご覧下さい。
実務的な印影から、篆刻まで1万印影位載っている素晴らしい資料です。
この後半に短い文章ですが、印相体について重要な真実が書かれております。
まずはその部分をご覧下さい。
(赤枠のみ私が加工しました)
1915年生まれの先生の著書ですので表現が古いですが、ほんの短い言葉の中に
印相体の事実が書かれております。
私の言葉では信じられないかも知れませんが、この赤枠をお読みいただければ
「印相体は歴史の無い最近作られた変わった文字」である事がわかると思います。
また、篆書体は4千年の歴史があり、字典に基づく文字で勝手な崩し方をしては
いけない事もわかると思います。
まあ、歴史や慣習を無視して「勝手に崩してはいけない」なんて当然ですよね。
注目していただきたい事は、赤枠のすぐ上の文章にもあります。
(アンダーラインと赤文字のみ私が加筆しました)
「日本銀行総裁之印が実印の最高の見本」と書かれていますね。
日本銀行総裁之印はお札に押されております(印刷)
どのお札も肖像画のある面に押されている印影です。
上下左右の空間を十分に確保し、はっきりとした印篆で彫られた最高の見本です。
------------------------補足説明-------------------------------
日本銀行総裁之印は印店の最高の見本とされていますが、これ以外の作風がいけない
または、作風的に劣るという意味ではありません。
印章文字の優劣は、やはりそれを作る職人の技量が一番の要因になります。
総裁之印は四方の空間を十分にとった作風ですが、似た作風にしても字配りが
優秀で無い印章は価値が低くなり、一方、作風としてあえて空間をとらず印面にいっぱいに
文字を広げても、字配り、全体のバランスの調和がとれていれば素晴らしい印章と言えます。
また、印章に用いられる篆書体には主に印篆(いんてん)と小篆(しょうてん)があり、
大篆と小篆で優劣の違いはありません。
文字本来の形、文字数、目的など、いろいろな条件に合わせた作風にする事が
最高の印章と言えます。
当店では大篆(だいてん)も素晴らしい篆書体として推奨しておりますが、
戦後は大篆で彫る印章店はごく僅かになってしまいました。
参考ページ①