当店は野生動物の種の保存に関する法律に基づく特定国際種事業届出事業所です。
古くからの伝統的な印章(印鑑)、当店の方針、古い印章資料(主に印影)や商品等を中心にご案内致します
店主のブログ
お札(さつ)と印鑑には密接な関係があります。
それは以前「八方崩」のところで書きました。
江戸時代のお札(藩札)は今と違い木版で、大くは桜でしたが柘で彫られる事もありました。
それぞれの藩ごとにが専属の彫り師が居て、紙の製作(別の職人です)から摺る工法まで偽造防止の為
いろいろな工夫がこらされていました。
その彫り師こそ印判師だったのです。
(町のはんこ屋さんが片手間に藩札を作成していた訳ではありません)
もちろん全てではありませんが、浮世絵などの彫り師が藩札の彫り師に任命されたのではなく、印判師が藩札作成に
携わっていたのです。
明治になって藩札が廃止され、彫り師はその技術をもって印章彫刻の道に戻りました。
しつこいようですが、全ての彫り師がそうだった訳ではなく、また全てのはんこ屋さんの原点が藩札彫り師
という訳でもありません。
藩札彫り師の系統を受け継ぐ印判師が作る印章は精巧そのものでしたが、藩札彫り師とは無縁の印判師が彫る印鑑は
「待ち彫り」などで早いものは5分くらいで彫ってしまう場合もあったらしいです。
その場合はもちろん精巧な印鑑は彫れませんが、それが一概にいけないという訳ではありません。
待っている瞬く間に彫ってしまう技術も(精巧ではなくとも)優れているからで、また、お客様の急ぎの要望に応える
必要性はいつの時代でも大切だからです。
藩札彫り師の系統を受け継ぐ印判師の手彫り印鑑はこちらです
同じ印影ですが、大きさがわかる写真です。
ミリ以下、ミクロ部分まで丁寧に彫られております。
大半の藩札には吉祥模様が彫られて(摺られて)おりましたが、明治になって印章となって受け継がれていきました。
これもしつこいですが、「吉祥」です「吉相」ではありません。
吉祥模様は日本の伝統模様で、その多くは中国から伝わり、唐草模様などは遠くペルシャが起源となっていると
言われております。
後日紹介させていただきますが、唐草模様も昔の印鑑には重要なものでした。
彫刻技術を紹介する為に大きな画像を掲載しましたが、小さな印鑑はやはり小さいまま見るのが一番だと思います。
パソコン上でははっきり見えなくてすみません。