手彫り印鑑、印相体フォント変換吉相体

 
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手彫り印鑑

印章店が書く本当の話   
~簡単に言えば
インチキの一言です。



ハンコが必要になり、どこのお店でどんなハンコを買おうかと迷った方は多いと思います。
とりあえずインターネットで調べてみようと思い検索エンジンで探すと、ほぼ必ず開運印鑑
および印相体(吉相体)という言葉が出てくると思います。

●何となく普通の印鑑より良さそうな感じがすると思う方。
●「開運」と書いてあるので得した気分になるからいいと思う方
●本当に開運するかわからないけど、同じ値段で縁起物ならその方がいいと思う方。
●誕生日や姓名からきちんと鑑定してもらい、いいハンコを作りたいと思う方。
●運勢には興味が無いという方。
いろいろ居らっしゃると思いますが、
印鑑(印章)を買おうと考えている方は
是非お読みになってみて下さい。

印鑑の正しい知識を持つ消費者様は少ないと思います。
皆様には必ず「目からウロコ」になると思いますので、是非ご一読いただけますでしょうか。

ほとんどの印章店では印相体(別名・吉相体など)を扱っており、ネット上では開運印鑑
というハンコで溢れておりますが、印鑑や特定の書体で開運になるという言い伝えは無く、
印相体も開運印鑑も近年生まれたものという事はご存じでしょうか。
印鑑は古くはメソポタミアの円筒印章から始まり、中国で漢字の印鑑となり、日本には
歴史の教科書でお馴染みの漢委奴國王の金印が最初に伝来したと伝えられています。
歴史的に見ますと、占いや神事に文字が使われたり、一部は祭礼的に使われた印鑑も
ありましたが、現在巷で販売されているの開運印鑑との関連性はありません。


印相体、フォント変換、吉相体
前述した通り、今はほとんどのお店で印相体という書体が扱われいますが、元々印相体は
開運印鑑専門の書体でした。
最近は吉相体とかいろいろな名前で呼ばれる事も多いですが、全て同じ書体です。
漢字の起源は篆書体に遡り、発生は紀元前になります。
その長い歴史の中で、篆書体を読みやすく書きやすくする為に隷書体が出来たり、
篆書体を印鑑に用いる為に、印篆(いんてん)が生まれたりしましたが、印相体が
生まれたのは昭和になってからです。
私の言葉だけですと説得力が薄いかも知れませんので、資料画像をご覧下さい。
(赤枠のみ私が加工しました)

印相体(吉相体)の説明

これは昭和50年に発刊された印章資料 「印海」 から抜粋したものです。
(写真をクリックすると印海の説明ページへ移行します)

資料に「印相印」とあるのは、今の開運印鑑の事で、「印相文字」というのは印相体の事です。
印相体は最近作られた変わった書体である事が記されており、歴史ある篆書体を勝手に
崩した文字である事が文章から読みとれると思います。
( 印相印と称して変わった文字を・・・=変な文字という意味です)
(最近作られた書体=つまり、伝統的な文字ではないという事です)

更にもう一つ資料画像をご覧下さい。


印相体吉相体、フォント変換プレビュー

これは東京印章協同組合が発行したカタログです。
(赤いアンダーラインのみ私が加工しました)
当店独自のカタログではなく、ハンコ屋の団体である組合が発行したカタログである事を
念頭に、印相体の説明とアンダーライン部分をお読み下さい。
近年用いられる様になった」 とありますが、昔は無かった書体という事を指していますね。
そしてアンダーライン部分には 「
当組合では推奨しておりません」 と書かれております。
二つの別々の資料に書かれている事が一致すると思いませんか?
それにしても、大半の印章店で取り扱われている印相体が、印章協同組合では推奨されない
とはどういう事でしょうか。  
もうおわかりだと思いますが、
推奨されないお勧めできない良くない書体だからです。

 
開運印鑑の説明は続きますが、ここで消費者様に一つご理解いただきたい事があります。
巷では「印相体はいい書体」と宣伝されていますが、上の二つの資料を見れば「そうでもなさそうだ
という事が、何となくでもおわかりいただけたかと思います。

歴史の浅い書体である事もおわかりいただけたかと思います。
開運印鑑や印相体がいかにデタラメか」を説明するに当たり、表現が厳しくなり批判の文章
になりますが、印章業界の現状を知っていただく為の事実を書いておりますので、ご容赦
下さいませ。
 

見ていただきたい資料があります。
昭和40年代に開運印鑑に注意を促すチラシとポスターです。
画像をクリックしていただければ説明のページに飛びますが、クリックする前に名称について説明を。
今でこそ開運印鑑という名前で売られていますが、この当時は印相印という呼び名が主流でした。
印相印とはその名の通り、印相体で彫られた印鑑の事です。
(開運印鑑も印相印も品物は同じです)

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東京印章協同組合のチラシ            印章店向けの開運印鑑に注意喚起するポスター

詳細は画像をクリックして、それぞれのページをご覧下さい。
開運印鑑が創られた当初は、今とは多少販売方法が違っておりました。
販売方法の違いとは
開運印鑑が流行した昭和40年代は、皆様が持っている印鑑を 「凶相印です」 と説明し、
買い替えを促す為に、謂れの無い凶相印なるデタラメの説明が作られたのです。
凶相印などとされて悪く宣伝されているものは例えば 
太枠・細字はいけない」 「小判型印鑑はいけない」  「斜め彫りはいけない」 「彫り直しはいけない
継ぎ足し印はいけない」 「上下のしるしはいけない」 「空間が多いのはいけない」 
6センチ以下はいけない」など、多くのデタラメの謂れが作られました。
これらは創作された話ですので、古文書などで記されている証拠は何一つありません。
現在ではこの様な凶相印などという販売方法はあまりされず、「幸せになる」などという言葉で
販売されていますが、販売方法は変わっても売られいる印鑑は同じです。
そして、凶相印なる謳い文句で、今でも根強く残っているものがあります。
それは「
印鑑の上下のしるしはいけない」という謳い文句です。
まず始めに事実をお伝えしておきますと、開運印鑑が登場する前まで、ほとんどの印鑑(印章)
には上下のしるしが付いていました。
これは東京印章協同組合の印章カタログから実印を紹介したページの写真です。
(当店独自のカタログではなく、ハンコの組合のカタログである事を念頭に写真をクリックして見て下さい)

印相体フォント変換吉相体
7本紹介されていますが、その7本全てに上下のしるしである丹(たん)が付いています。
あえて上下のしるし付きの部分をピックアップしたのではなく、実印のページで紹介されて
いるものはこの7本のみです。
上下しるしはいけないという事について、よくネット上で言われている事が二つあります。

①印鑑は自分の体だから、傷を付けてはいけない。
②ハンコを押す時は大切な時だから、上下のしるしを頼りにせず、印面を確かめて押すべき。
という二つです。
これは一見もっともに思えるかも知れませんが、よく考えると二つともおかしな事です。

①(傷)について
上下のしるしが傷なのでしょうか?
傷としるしは大きな違いがありますよね。
上下のしるしを「傷」という言葉で表現する事自体に悪意が混ざっています。
また、印鑑は大切な物ですが、自分の体などという言い伝えや謂われはありません。
元々印鑑は、今とは形が大きく異なり、鈕(ちゅう)というつまみが付いておりました。
鈕にはいろいろ種類があり、金印(漢委奴國王印)は蛇の鈕で、他に亀、魚、虎、鶏の頭や
瓦など、生き物以外の形もあります。
印鑑(印鑑)が自分の体の訳がありません。

②(印面を見る為にしるしを付けない)について
これはどこにも開運らしき言葉が無いので、開運印鑑に興味が無い人も 「なるほど」 と思って
しまう事が多いセールストークです。
書類への捺印を慎重に行う事は大変重要な事です。
しかし、
書類の重要性とわざと不便な印鑑を使う事は別問題です。
よく考えてみて下さい。
印鑑に上下のしるしが付いていたら、書類の重要性を考えずに気軽に捺印してしまうのでしょうか?
よく、印章店の販売トークでは「
印面を見て一息付いている時にこの書類に捺印していいのか考える
という話がされています。

しかし、そもそも印鑑に朱肉を付けていざ捺印 というという時に、ハンコの上下を見ながら
書類の重要性を考えるという事なのでしょうか。
どこかおかしいと思いませんか?
昔の印鑑はほとんどが上下のしるしが付いていた(上の写真)を念頭に、①と②を考えて
みて下さい。

ここで開運印鑑のベースとなっている印相体を再度説明させていただきます。

手彫り印鑑の書体
これは東京印章協同組合の印影見本です。(印影は若干ボカシを入れさせていただきました)
現状として、ネット印章店及び実店舗ともに印相体は取り扱われており、多くのお店では
「印相体はいい書体」と紹介されております。
しかし、印章店の非営利組織である印章協同組合の見本では、印相体の欄はもちろん
印影見本すら載っておりません。
なぜ印相体が載っていないのかは、今までの説明でおわかりですよね。

開運印鑑の書体である印相体について箇条書きで説明させていただきます。
(今までの説明と一部重複する部分もあります)
●印相体は古来からの書体ではなく、昭和30年代初頭に創作された書体である。
●漢字の書体は主に美的観点または実用性から発達したが、印相体だけは商業的に創作されたもの。
●元々ハンコには「相」という観点はなく、「印相」という言葉は印鑑とは関係無い仏教用語である。
●開運印鑑の起源とされる江戸時代の本:
印判秘訣集 は印相体や開運印鑑とは全く関係ない本である。
●印章の基本6書体は学術的に存在する書体だが、印相体は学術的に存在しない。 (商業的に存在)
 (印章の基本6書体とは、篆書体、隷書体、楷書体、行書体、草書体、古印体の6つです)
●印相体で彫られた印鑑(印章)は日展その他きちんとした美術展では絶対に受賞しない。
 (美的価値はゼロだからです)
●吉相体は印相体の名前を変えただけ (他の開運印鑑書体も印相体の名前を変えただけ)
●印相体が流行しはじめた昭和40年代は、印相業界も印相体撲滅に力を入れていた。 (今は??)
●開運印鑑で「良い」という話や「凶」とされている話は、古くからの慣習ではなく、ハンコ屋が考えたもの
 その証拠に開運印鑑や凶印などが書かれた古文書は存在しない。
 (昭和初期に開運印鑑商法を考え付いた著者の本や、近年出版された本は存在します)
●開運印鑑の「印○学」という易学みたいな名称は、古くからのものではなく、商標登録された商材。
 (商標登録されているので、「」内の一部を伏せ字にさせていただきました)

印相体について、ざっと10項目書きましたが、どう思いますか?
私の書いた言葉じゃ信じられませんか?
歴史的な事を説明する時、場合によっては資料が必要だと思いますが、開運印鑑が
昔からのきちんとした由来であるかを語るのであれば、資料は当然必要ですよね。
でも、開運印鑑の由来などを証明する古文書などは一切存在しません。
開運印鑑の言い伝えが(仮に)本当であれば、資料で証明する事は、簡単なはずです。


印相体や開運印鑑についてざっと書きましたが、でも、どうしてここまで徹底的に書くのですか? 
と疑問を感じる方も居らっしゃると思います。
理由は簡単です。
汚点ですっかり変わって印章業界を少しでも正常にしたいからです。
開運印鑑というのは
超常現象や運勢を信じるか、信じないかではなく、ハンコ屋に騙されるか
騙されないかという事なのです。
印章業界には二つの大きな汚点があります。
一つはこのページで説明した開運印鑑(印相体で彫られた印鑑)
もう一つは、手彫り印鑑の偽装です。
偽装手彫り印鑑については
こちらのページからどうぞ。


★手彫り印鑑を注文する場合は、必ず手彫り工程の途中写真(下に参照)をいただきましょう。
詳しくは2行上のリンクからどうぞ。

 
(それぞれの写真をクリックすると、そのページに移動します)
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